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身内を介護する難しさ⑤ 兄弟の批判

身内の介護⑤兄弟の批判
実家で両親の認知症と向き合い、何とか施設に入れようと孤軍奮闘していた頃の出来事です。
その頃の母は、いわゆる「まだらボケ」状態で、会話は成立するものの、非常識でトンチンカンな行動をとるようになっていました。
盗られ妄想、被害妄想は日常茶飯事だし、家事はほとんどできない状態になっていました。
長年使っていた2層式の洗濯機が壊れたので、全自動に替えたのですが使い方が全く分からず、いら立って「まだ使えるのものを勝手に捨てやがって!」と暴言を吐き散らす。
料理も、例えば父がステーキ肉を買ってきますよね。
軽く塩・胡椒してフライパンで焼くだけなのですが、何度も何度も肉をひっくり返しては塩を振っていたのか、焼きあがった肉は塩辛くて食べられない。
牛肉の塩漬けでした・・・
煮物の味付けもわからなくなり、しょうゆを入れすぎて、これも塩辛くて食べられない・・・
あれだけきれい好きで、しょっちゅう掃除機をかけていたのに、その使い方が分からなくなる・・・
お風呂は月に1度くらいしか入らなくなる。
「年寄りは汚れないから風呂なんか滅多に入らなくていいんだ!」が、口癖。
美容院にも行かないので、白髪交じりの髪がボウボウに伸びてくる・・・
ところが、弟の家族が遊びに来たとたん、自分の部屋に駆け込んで着替えまでしてくるところを見ると、自分が汚れているのがわかってるんじゃない!
おまけにエプロンまでつけて、はりきって料理しようとする。
いかにも、自分は毎日炊事してるのよ、というところを見せたがっているようでした。
そうそう、認知症の人はその検査の時、できるだけ正常であるところを見せようとするのです。
検査員に「今日は何月何日かわかりますか?」と聞かれて、当然わからないのですが、
「最近ちょっと老眼が進んで、新聞も読まなくなっちゃったので何日なのか、わからないんですよ」というように。
でも、バレちゃいますけどね。
「では、季節はどうかな?今は、春夏秋冬のうち、どの季節かわかりますか?」という質問には3月なのに、「あ、今はちょうど秋ぐらいです」とか言ってるし。
このように正常を装っていても、やることはトンチンカンなので、当然、そばで見ている私はいちいち注意したり怒ったりしてしまいます。
そういう状況を見て帰って行った弟から後で連絡が入りました。
「子供たちが 『じいちゃんとお姉ちゃん(私)が、ばあちゃんを苛めている』 といって、傷ついている。子供の前でばあちゃんを叱るのをやめてくれない?」
「はぁ?????」
そりゃあ、たまに間違えるくらいならこちらも平常心でいられますよ。
何か失敗しても「あ~あ」で済ませられます。
でも、朝から晩まで、あるいは私が寝ている間も、とんでもないことをしでかしている人がそばにいて常に穏やかでいられるでしょうか?
頭ではわかってるんです、認知症の人の尊厳を傷つけないように、怒りモードに入らないようにやさしく話さなければいけないっていうことは。
でもね・・・
ある日、目を離した隙に、真夏の炎天下に3歳の姪っ子を散歩に連れ出し、2時間近く帰ってこないことがありました。
35度を超える真夏日だったので心配して探しに出ようとした矢先に、ひょっこり帰ってきました、赤い顔して。
姪っ子はさらに真っ赤な顔をしていました。
熱中症寸前です。
まだ3歳の姪っ子は母よりも地面(アスファルト)に近い場所を歩いていたのですから、熱中症になるのは当然です。
慌てて水を飲ませ、氷で頭や体を冷やして休ませました、二人とも。
私も父もパニックで、また、母を怒鳴ってしまいました・・・
その日も帰宅してから弟の電話で「何度も言うようだけど、子供たちの前でばあちゃんを怒らないで」
「はぁ???」
「今日の散歩はちょっとびっくりしたけど、ばあちゃんだってわざとやってるわけじゃないし」
「あのね、一度や二度の話じゃないんだよ? 朝から晩まで非常識なんだよ? 今日だって、何かあったら大変だったじゃない!」
「それでも、あのいい方は子供たちに聞かせたくない。特に◯◯(長男)は布団に入ってからも、『ばあちゃんが可哀そうだ』 といって泣いてるし。」
(え?、確かに子供たちの前で母を怒るのはよくないことかもしれない。でも・・・)
「ばあちゃんを怒るのをやめないなら、俺は今後一切、遊びにいかないから!」
あぁ、そうか・・・
実際、間近で見ていない人は身内でも親戚でも他人でも、こういう風にとらえているんだなぁ、と、その時 実感しましたね。
たまたま うちの場合は親戚もご近所さんも私たちに面と向かって批判するようなことはしませんでしたが、陰では随分、悪く言われてたんだろうな・・・なんて思います。
特に弟にとっては、「性格はキツいけど、しっかりした母親」という認識があったので、認知症になってほとんど何もわからないということを認めたくなかったんだと思います。
こんな風に、私たちの決定に反対はしないけど、決してその態度を快く思っていないこともあって、相談しても誰も手を差し伸べてくれなかったのかもしれませんね。
親戚に電話して、父が母を病院や施設に行かせるように話してもらえないかと相談しても、
「大変ねえ、でもうちもいろいろあって中々・・・」と、言われちゃうし。
言われてショックだった言葉で「◯◯ちゃん(私のこと)のとこが一番大変よね。叔父さんも伯母さんも認知症なんだから。
苦労するわよね」というもの。
(そっか、私が親戚中で一番不幸なのか・・・)と落ち込みました。
親せき・兄弟と言えども「よそのお宅」の事情にまで首を突っ込みたくないのです。
そうなると頼りになるのが民生員さんとか、ケアマネージャといった介護のプロになるわけです。
それぞれのお宅の事情をよく聞いて、どんなふうに処理したらいいのかを具体的に教えてくれますから。
といっても、初めて身内の介護が必要になった場合は担当のケアマネージャーさんなんていませんので、まずは最寄りの市役所・区役所の介護高齢課を訪ねて相談されるのがいいと思います。
そこで入院や施設入居が必要だと思えば、施設一覧表などを渡してもらえます。
ここがポイントで、役所の方は決して施設の紹介はしてくれないということです。
仕事柄、どこの施設が評判がいいとか、介護体制が整っているとか、その逆であるとかは把握してると思うのですが、決して推薦はしてくれません。
介護認定手続きは取ってくれますが、そのあとは自分たちで入居先、入院先を見つけなければなりません。
現在は世間も認知症の家族を抱えた人たちへの理解を深めてくれるようになってきました。
ネットでかなり詳しく施設を検索することができるようになりました。
仕事を持っていても、昼休みや通勤時間を利用してPCやスマホで調べることができます。
よさそうだな、と思う施設があったら一度資料を取り寄せて電話やメールで相談することをおススメします。
介護認定を受ける前であっても、今の状態を施設の生活相談員やケアマネージャーに相談すれば、手続きの方法などを教えてもらえます。
また、施設によっては介護認定前に入居して、それから認定手続きをすることができる場合もあります。
ただ、ほとんどの施設は要介護の高齢者を優先的に預かるので、まず入居前に介護認定を受けるが先決ですね。
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