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入居者:はるみちゃん、夫を殴る!

はるみちゃん、夫を殴る!

はるみちゃん、夫を殴る!

 

母が入居していた介護施設の出来事です。

地元に住む、あるご夫妻なのですがご主人T さんが入居することになりました。

このご夫婦にはちょっとした事情がありまして、夫婦と言えども内縁関係

さらに、T さんの方はと言えば、都内にいる奥様や子供さん、その他親戚の方々と縁を切っている状態でした。

はるみちゃん(施設では はるみちゃんと呼ばれていました)とT さんは群馬に住んでいまして、ご近所に住む、はるみちゃんの実の弟さんがT さんの入居手続きなどをやっていました。

 

T さんは要介護1か2だったと思うのですが、まだまだ頭もしっかりしていて、車いすは必要なものの、身体介護もトイレの移動や入浴介助以外はほとんど必要ない状態でした。

 

そんなT さんですが、入居して半年もたったころでしょうか、たまたま面会に来ていた はるみちゃんが、ご主人に対して不平不満をぶちまけ始めたのです。

自分が長年、籍を入れてもらえなかったことが どうしても許せなかったと見えて、延々と文句を言っています。

T さんは黙ってうつむいてそれを聞いているだけ。

と、次の瞬間、はるみちゃんがいきなりT さんの頭をグーで殴ったのです。

驚いた職員が間に入って止めたものの、2~3発、くらってしまったようでした。

元々認知症気味だった、はるみちゃんの症状が進んでしまったからのようでした。

弟さん曰く、内縁の夫Tさんと別居して一人暮らしになってから、言動がおかしくなっていったということでした。

これは、はるみちゃんも一緒に入居かな?と思っていたのですが、あまりにもT さんに対する暴言暴力がひどいので、彼女の弟さんは別の施設に預けることを考えたようでした。

 

と言うより、弟さんからしたら「正式に籍を入れてくれなかったTさん」に悪感情を持っていたようでした。

だから、姉と同居させたくないということだったのでしょう。

 

この事件があってからT さんの認知の症状が進んでしまったのです。

それまでは、時々物忘れがある程度だったのが、自分のことや家族のことをすっかり忘れてしまったようでした。

はるみちゃんの名前を出しても無反応だし、それまでは別れた正妻のことや子供のことも話していたのですが、その日を境にパタッとそういう話はしなくなったそうです。

日々無気力で、排せつもオムツが必要になり、昼間は車いすも使わず、ベッドで寝たきりになることが多くなりました。

結局、車いすに乗せても安全ベルトをしないと倒れてしまうし、前のめりになったままの状態でいるので、ベッドに寝かせるようにしているのだとか。

 

こんなに認知症状が進んだ原因は、やはりはるみちゃんの暴力だったと思います。

人前で殴られた屈辱、自分に対する憎しみ、今の自分の状況など、抱えきれないほどのショックとストレスで認知が進んでしまったのでしょう。

T さん以外にも、こういったショックやストレスで認知が進む場合が多いようです。

嫌なことは忘れたい、ラクになりたいという脳の防衛本能なのでしょうか?

うちの母も、父の死をきっかけに一気に認知症が進んだし、それより以前は父が母の様子を見て絶望したのか、やはり認知が進んでしまいました。

 

若い時ならいざ知らず、齢(よわい)70を超えて生きがいや希望がなくなると、人というのは絶望してこんな風になるのだと、改めて実感させられた出来事でした。

こうして認知が進んでしまうと、ますます身内で介護することは難しくなります。

今までは、少し介助するだけでよかったトイレや入浴、着替えや食事の介助も必要になります。

弟さんからすれば、今まで苦労してきた姉のはるみちゃんにTさんの介護までさせたくない、別々の施設に入れて、別れさせたい気持ちがあったのかもしれません・・・

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