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母親のおかしな行動は続きます ~認知症発症~

勤めていた私が帰宅して自分の部屋に入った時のことです。
真夏日で昼間の最高気温が38℃を超えていたのですが、部屋の窓と雨戸を締め切っていて、蒸しぶろ状態に!
温度計を見ると45℃は軽く超えていたんです。
部屋の真ん中には、生乾きのままの洗濯物が山積みになっています。
当の本人は1週間以上もお風呂に入らなくなったり、美容室に行かなくなって白髪交じりの髪がボウボウに伸びて、まるでホームレスのような状態になっていきましたが、奇行はまだまだ続きます。
かれこれ40年以上も専業主婦だった母は、炊事が自分だけの仕事だと思っていたようで、毎日決まった時間にお米を研ぎます。
が!しかし! 何度も何度も米を研ぎながら水替えをするのでお米がぼろぼろになるまで研ぎつづけます。
誰かが気づいて止めても無駄です。すごい剣幕で静止を振り切って何度も何度も研いでしまいます。
ぼろぼろになったお米はおいしくないです…
それだけではありません。お米を研いだこと自体を忘れているので、別の容器にまたお米を研いで放置しておきます。
研いだお米が12合を超えているのに本人は気づいていません出した。
両親と私の3人家族ですから、一度に炊く量なんて2合もあれば十分なのに、弟が学生で大食漢だった頃の名残か、4合も炊いてしまいます。
炊かずに残したお米が大量にありますから仕方なく、炊かなかった分は冷蔵庫に保存しておくことになるんですね。
研いだお米を一晩冷蔵庫に入れて、改めて炊くとどうなると思いますか?
もう、お米の風味も味も全くなくなってしまいます。 そんなご飯を何度も食べてきましたが、とてもじゃないけれど、食べられたものではありませんでした。
繰り返される米研ぎですが、研ぎ始めると誰が止めても聞きません。
一日中、母を見張っているわけにもいかないので、私はA4サイズのコピー用紙にマジックで「お米は2合だけ研ぐこと」と書いて、炊飯ジャーにテープで貼っておくことにしました。
それが面白くないのか、台所に来ると母はその紙を剥がすので、炊飯器を洗った後にまた、この紙を貼って、余分にお米を研がないよう、工夫してみました。
それが毎日続くんですよね。
最初は「何でこんなこと、書くんだ!」と怒っていましたが、現実に自分が大量に研いだお米を見ると、ハッと気づくこともあるようで、大量にお米を研がない日もありました。
これ以外にも「味覚異常」や「不潔行動」がみられるようになりました。
ステーキを焼く前に塩を大量にふってしまったり、魚を焼いたグリルを掃除しないまま、別の日に汚れたグリルで魚を焼いたりする、湯飲み茶わんは残ったお茶を流しに捨てるだけで洗わない、といったようなことです。
このように段々と炊事ができなくなってくるのですが、それを咎められたり、父や私が代わりに炊事をすると怒り狂います。
自分の仕事を取られたと思っているのか、とにかくほかの人間が炊事をすることを極度に嫌っていました。
認知症の人にもプライドがあります。
認知症を発症する前は炊事が大嫌いだった母ですが、自分の仕事を奪われる恐怖を感じていたのかもしれません。
炊事を誰かに任せることで、自分が役立たず呼ばわりされるのを恐れていたのでしょう。
別に炊事が出来なくなっても母を追い出したりするわけでもないのに。
周りにいる家族に時間や気持ちに余裕があって、家事に時間がかかるのを承知で一緒に「協力」しあって家事を分担できたら、それが一番いいのだと思います。
おしゃべりしながらという感覚で、料理の手順をそれとなく伝えることが出来たら、母もスムーズにできたのではないかと、今なら理解できるのですけどね。
当時、私も父も時間に追われていたので、母の状態を見ながら家事をしてもらうことをせずに、さっさと自分たちで終わらせていました。
身内が認知症になると、イライラして優しい気持ちで相手に接する事ができないのです。
頭の病気なのだからと思っていても、母の暴言に傷つき、腹を立て、つい怒鳴ってしまうこともありました。
身内に対する感情が爆発するんですね。
時々ニュースで介護していた親や配偶者を殺してしまったなんて話を聞きますが、理由が介護疲れ、いら立ち、将来の不安、孤独、うつなど、どれも理解できます。
身内(それも認知症の親など)を殺してしまうことは許されることではありませんが、実際に介護に携わったことのある人なら、加害者の気持ちもわかると思うのです。
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